7.コーチングで組織を変える

テーマ:講演「自分の可能性を信じていますか」ワークショップ「コーチングのススメ」
実施日:2003年12月19日
主催:本田技研工業株式会社 浜松製作所
対象:ユニットリーダー 約100人 (ワークショップ 約40人)


ここは本田技研工業、浜松製作所。受付ロビーには、大好きなバイクが。CB400 Super Four です。「カッコイイなあ。おおっCBXカラーだ!(知る人ぞ知る会話。スミマセン)・・・」そうバイクに見とれていると「あの、川村さん?」と背後から声をかけてくれる人が。「あ、片桐さんですね、はじめまして。よろしくお願いします」

そう、今日私は、12月に控えた講演+ワークショップの下見に浜松までやってきたのです。テーマはコーチング。50名前後の部下をかかえるユニットリーダーと呼ばれる方々に、コーチングのスキルを紹介することが目的でした。

講演だけならまだしも、ワークショップをするとなると、どういう人たちが参加するのか、また職場の雰囲気、温度、悩みといったものをできるだけ聞いておきたいもの。現場にいってみないとわからないこともたくさんあります。 話す側としては、講演当日に始めて顔をあわせるので、内容を準備していっても的外れにならないよう、できるだけ本番前に情報を仕入れるようにしています。

さて、総務の片桐さんに案内され、さっそく工場のラインを見せていただくことに。これはバイクファンにはたまらない! 鋳造過程からプレス、塗装、組み立て、完成車になるところまでを案内していただきました。途中ユニットリーダ(グループ数十人もっているリーダーの方々。今回のワークショップ参加者でもあります)の方にじっくり質問をしながら、2時間近くかけて見学。「どんなことで悩んでいますか?」「そうですね、年上の部下の 方とのコミュニケーションには気をつかっています」など、貴重な現場の声を聞くことができました。 その後、街の中心街へ移動し、上司の方と夕食をご馳走に。「当日よろしくお願いします」「は、はいっ」(ううっ、プレッシャーかかるな)

こうして当日。乗ったタクシーの運転手さんが「そこが本田宗一郎さんが会社をはじめた場所だよ」などと親切に紹介してくれたのには驚きました。 やっぱり街のヒーローなんですね。工場に到着し、「まず、じゃお昼を」と応接室に通される。目の前にはウナギのお重が。  「こっちのウナギは関東と焼き方が違ってね。少しぱりっとしてるでしょ」と説明してくれるのは中澤さん。確かにパリッとしてうまい!個人的にはこっちのほうが好きですね。

さて、いよいよ講演です。会場には100人以上の工場の白衣を着た従業員の方々が。ホンダの作業服は白。汚れるのにわざわざ白なのは、それだけ作業環境に気を使い、きれいに仕事をしているからだそうです。いつもやるクイズですが、年配の方の手がたくさん上がり、「さすが頭が柔らいな」と感心。年上の技術者の方ばかりにお話をするのは、少し緊張しましたが、何とか無事終えました。講演の後は、ワークショップ会場である浜松グランドホテルに移動。中がが吹き抜けになった海外の雰囲気がある素敵なホテルです。 

ワークショップ参加者は約40人。まずはコーチングの基本、「聞く」からスタート。二人で向かい合って座ってもらい、100%相手のことを聞く練習から。身体を開き、目を合わせ、呼吸を合わせて、うなずく。あいづちを打つ。「なるほど」「そうなんだ」 これが意外と難しい。照れてしまう人、ぎこちなくうなずく人。日々、どれだけ相手の話を受け止めていないか、皆さんなにか気づくところがあったようです。

次は「問いかける」。細かく分けるチャンクダウン、なぜできなかった?でなくどうしたらできる?という未来質問など、いくつかのパターンを実際に体験してもらいました。途中、ケーススタディ「やる気のない中堅社員」では「どうやってこのような人に声をかけますか?」という課題に、珍回答続出。最後は今日学んだスキルを応用して、問題を解決していくシナリオをロールプレイで演じてもらいました。これが皆さん、役者ぞろいで、大ウケ。楽しいながらも、実りあるワークショップだったと思います。

そのあとは別室に移り、工場長も参加しての食事会。ホンダの皆さんは、ほんとに芸達者です。マイクを持たせたら、皆しゃべりがうまいのなんのって。皆、自分の味を良く出していて、「自分が好き、仕事が好き、会社が好きなんだなあ」という感じがひしひしと伝わってきました。 ついそのノリにつられ、二次会のカラオケにまで混ぜていただきました。

今回、皆さんにふれて、私はすっかりホンダのファンになってしまいました。皆さんのイキイキしている表情。こういう会社だから元気がよい、また良いクルマが生まれるんだなあと実感。工場見学の最中、あるユニットリーダーの方の自信に満ちた言葉が印象的でした。「ここの工場の技術は日本一、いや世界でも負けないと思います」皆さん、これからも良いクルマ、バイクをつくり続けてください。期待してます。ホントありがとうございました!


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