3.ワークショップで組織を変える

テーマ:「いまの自分にできること」(+ワークショップ)
実施日:2003年10月17日
主催:ソニー株式会社仙台テクノロジーセンター
対象:一般職員 150人


「ん~最近はヒマだなあ・・・」 講演の依頼もひと段落つき、平穏な(このままではいけないと思いつつーー)日々を過ごしていたあるとき、一通の相談メールが。 「おおっ、ソニー仙台と書いてあるぞ。どれどれ・・・」 内容は「社内の閉塞感を何とかして打ち破りたいと思っていま悩んでいる。何かいいアイデアはないか・・・」のようなことでした。真剣が思いがひしひしと伝わります。  このときはまだ、正式依頼ではなかったので、気楽に「じゃ、こんなふうにしたらいいんじゃないですか・・・」と返事を。

 するとすぐさま「一度お会いしてお話を聞きたい」とおっしゃる。  そこでいつもの恵比寿の喫茶店で待ち合わせ。仙台からこのためにわざわざ上京してきてくださったのは、ソニー仙台のIさんとSさん。  あれこれ話しているうちに、「講演会+ワークショップをやったらいいのでは」と提案したところ、なにかにピンときたのか、「お願いする方向で考えたい」との返事が。

 講演会やワークショップ開催時には、事前の打ち合わせがとても大事です。 このときも、最初は「発想の転換」という視点で考えていたのが、だんだんと話を聞くうち、 「彼らの言う社内の閉塞感とは、仕事の性質もあってお互いがフランクに話し合う文化がないのでは?・・・ならばワークショップだ!」という結論に達したのです。 工場を下見に行ったり、東京で打ち合わせをすること数回。準備スタッフの方は、この講演会のためのPRビデオを作って昼時に流したり、残業代も出ないのにこのために時間を 割いたりと万全の準備をして当日を迎えました。

仙台駅からタクシーで20分ほどで到着。すぐ社員食堂でおいしい昼メシをいただいたあと、さあまずは第一部の講演です。控え室からはぞくぞくと集まってくださる職員の方が見えます。 バックにはこの日のためにスタッフが作ってくれた真っ赤なパネルが(うわっ、ハデだなあ)。 はじめからソフトな雰囲気の中、順調にトークも進み、最後に工場長の方からも嬉しいコメントを頂きました。  さて、次は第2部、ワークショップです。会場を移動し、参加者は20名程。ワークショップには丁度いい人数ですね。

皆リラックスした雰囲気の中、 「このワークショップという会議のやりかたをぜひ、今日は楽しんで身につけてください」という私の挨拶からスタート。 まずは「職場で不満に感じていること」を切り口に、各チームに分かれて発表をしてもらいます。 普通の会議と違って、みなとても楽しそう。斬新奇抜なアイデアが次々と出ます。 最後に「こんな制度があったら、やる気が出る」というアイデアのコンテストを開催。

オークションで仕事に応募するやりかたや、ハンバーガーショップのバリューセットに ヒントを得、自分で仕事、上司などを組み合わせるシステムなど、とてもクリエイティブなものがいくつも出ました。最後にみんなで投票をして優勝チームを決め、 大盛り上がりのうちに終了。ワークショップでは、とにかく短期間で、チームで考えて結果を出すプロセスを通して体験できるのが大きな魅力。 上から押し付けられるテーマではなく、自分たちから自主的に参加し、成果をつくっていく会議は、とても楽しいものです。

終了後の打ち上げでも 「会議がこんなに楽しいなんて思ってもみなかった」との感想をいただき、私もとても充実した、心地よい時間を体験することができました。  今回の成功も、数ヶ月も前から準備をしてくださったスタッフの皆さんの努力があったからこそ。そこに一緒に"混ぜて"もらった私はとても幸せでした。 組織を離れ、一人で生きていくことを決意した私にとって、今回、仲の良いソニー仙台の皆さんに触れ、ちょっぴりうらやましかったです。「会社って、いいとこもあるなあ」って。 ありがとうございました。また社食、食べさせてください!
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